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映像で見る松聲館の技

松聲館の代表的な技をいくつか、ここに紹介します。
最新の技や術理にご関心のある方は、株式会社夜間飛行から月2回配信されているメールマガジン
『風の先、風の跡〜ある武術研究者の日々の気づき』にて随時紹介しているので、そちらをお申込ください。
また、各地の講座・稽古会の情報は「活動予定」をご覧下さい。
(動画提供:株式会社夜間飛行)

一、「太刀奪り」
相手が打ち下ろしてくる竹刀を躱す。
この場合の竹刀は、遠慮なく打ち込んでも怪我をさせる心配のない、割竹に緩衝材を巻いたソフト竹刀。
このとき、床を蹴って躱そうとすると、頭は躱せても肩や脚部を打たれてしまうので、体に浮きをかけて床を蹴らずに、打ち下ろしてくる相手の風圧に飛ばされる感じで、体の向きを変えて竹刀を躱している。
本来は、この状態で相手の刀を奪うが、ここでは省略している。

二、「旋段の手」で人を起こす
片手をある特殊な形にすることによって、人を楽に立ち上がらせる方法。
手と指を「旋段の手」という形にして、前腕、上腕の筋肉群を強く拮抗させることにより、腕を使えなくする。それにより、初めて、背や腰、脚部の力を有効に使うことができる。
「旋段の手」の手の形は、まず、人差し指を爪が隠れるくらい深く掌の中に折り込み、中指、薬指、小指も折り込む。このとき、掌にまで折り込むのは人差し指だけで、小指は反対に手の甲側に出来るだけ反し、中指と薬指は自然に任せる。
最後に、親指の関節を折り込んで、台形にする。
この指の形が、人差し指から小指にかけて、ちょうど螺旋階段のように見えるので、「旋段の手」と呼ぶのである。


三、サッカー等の競り合いで「浮木の腿」を使う
普通、身体を移動するときは、体重を預けている軸足を支えに、もう一方の体重をかけていない足を動かすが、この「浮木の腿」は、体重がかかっている軸足の重心をもう片方の足に移動させることなく、そのままフッと上げることにより、気配を消して相手を抜き去るものである。
サッカーやバスケットボール等の競り合いに「浮木の腿」を使うと、相手に制されることなく、走り抜けられる。通常の常識的な体の使い方では、体重がよりかかっている軸足をそのまま上げることは困難だと思うが、その常識的には上げることが難しい重心側の足が上がるため、相手はこの動きは止められないのである。


四、「人間鞠」
元々は、しゃがんだ状態から楽に立ち上がるための動きだったが、意識せずに体を自然に使えるようにするための基盤となる重要な技である。
とにかく、意識で立ち上がろうと考えずに、ただ、全身を下に落下させることで、独りでに立ち上がる感覚は、習得が容易ではないが、自分が何かを行っているという感覚から離れて、新たな技の発想を得るためには、重要な動きである。


五、真剣を竹刀より速く変化させる
相手の刀と斜めに斬り結ぼうとする表交差の状態から、一瞬で真剣を裏交差へと抜く。
現在、剣道などの常識では、竹刀に比べ、重量のある真剣は、竹刀のように速くは動かせないと考えられているが、実際は、重量と反りのある真剣の方が、竹刀よりも迅速に変化させることができる。
ただ、この場合、手で刀の操作を行わないようにするため、刀の柄を持つ両手は離さずに、両手を寄せて持つようにする。


六、日本刀に「反り」があることの意味
真剣の反りは、一般的には刀の切れ味を増すためと、手持ちをよくするためと思われているが、真剣を迅速に変化させるためにも、この反りは大きな役割を担っている。


七、「謙譲の美徳」
「謙譲の美徳」は、動き出そうとする瞬間、後ろに退がることで、単純に相手を押さず、相手に向かって働くエネルギーだけを取り出して、作用させるもの。
さまざまな場面に有効だが、この原理をはっきりと示すには、相手と向き合って、ともに左右の足を開き、相手にはやや足を前後して押されても、そう簡単には崩れないような体勢をとってもらう。
それから、仕手の方が、相手の両肩をそれぞれの手でポンと押すようにした瞬間、「おっと! 失礼しました」と後ろに飛び退がるようにする。
このタイミングがぴったりと合うと、仕手が受けを押し始めて、後ろに飛び退がりかけたネルギーが受けに伝わり、受けが後方へと崩れて行く事により、仕手はその場を動かず、受けのみが後方に崩れて退がっていく。
この「謙譲の美徳」は、相手に触れられた接点の圧力が、それほど高まらないにも関わらず、体は予想外に後ろに退がっていくものである。
この技は、メールマガジンの動画の撮影を行ってもらっている田島大義氏の創案による技。


八、「霞抜き」
剣術で、相手の表交差、つまり、相手にとって構えている刀の左側に打ち込んでいく状態から、瞬時に少し横に移動して、ただちに相手の構えている刀の右側へと刀がいわばクランク状の軌跡で変化して、打ち込まれる技である。
この技も、刀を持つ両手を寄せて持つ事により、可能となる。
もし、両手の間を離した持ち方でこの変化を出す場合、刀の操作は、ほとんど柄頭付近を持つ左手のみで行い、右手は本当にただ竹刀に触れている程度にする。

(掲載日2015/12/16)


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